[2017.02.27]
2.07、「未来土木~人と自然とやりがいの共存を目指して~」、
本日は、(公財)北九州産業学術推進機構 専務理事:松岡 俊和 様による、
『サステイナブルな地域づくり』と題したお話について、ご紹介をさせていただきます。
これまで環境分野に携わり、北九州で環境を取り戻すため、強い意志を持って
進まれてきた松岡様より、環境の視点からお話をいただきたく、
今回、松岡様にご講演をお願いさせていただきました。

≪松岡様より≫
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
私は、これまでずっと環境分野に携わってきました。
田端様より土木に対するイメージのお話がありましたが、
私が土木に抱く印象は、「土木はかわいそう」というものです。
それは、国土交通省出身で、これまで国土づくりに携わってきた人が、
「道路が整備されると、市民の方々にとってはその整備された状態が
当たり前になる。」そう言っていた言葉が、耳に残っているからです。
また、最近は集中豪雨による河川氾濫がしばしば生じますが、
河川改修を行っていなければ河川が氾濫して甚大な被害が生じただろうことに関し、
担当者が、「そのことを褒められたりすることはない。当たり前のことだ。」
そう言っていた言葉もまた、私の中に残っています。
みんなの当たり前の日常を支え、縁の下の力持ちとなっている土木。
一方で、これまで私が携わってきた環境は、とても脚光を浴びています。
その反動もあるのか、市役所の中でも、
土木の人たちは、「支えているのは土木」と、
やたらと群れる傾向にある気がします。
正直なところ、土木のイメージがあまりよいとはいえません。
今、私は土木の悪口を言いましたが、環境分野も同じです。
私は、「北限のサル」という逸話を持っています。
環境庁に出向していた際、アセスメント業務を担当していました。
様々な開発事業があり、これらの事業に対して各局の意見交換を行っていた際、
「青森県の開発はダメだ。そこはサルが生息する北限だから。」
そう言われたことがありました。
その話に、私も当初納得していましたが、よくよく考えると、
そこがどういった意味を持ち、どういった場所なのかということを理解
した上での反対ならよいのですが、「北限のサルだから。」、
その固定概念で開発できないというのは、おかしいと思い至るようになりました。
この「北限のサル」の話は、土木と環境との間のいびつな図式を
生み出してきたものと同じだと、私は思っています。
お互いがお互いをしっかりと理解し、融合した上で社会をつくっていく。
今、それが必要なのではないでしょうか。
その点、環境は、土木に比べその切り替えが、一歩先に進んでいると感じています。
北九州は、公害問題を克服してきましたが、
問題は解決したと、そこで終わりにするのではなく、
今、同様の問題で困っているアジアの国々に、解決のための技術や人材、
ノウハウを伝えていこうと、世界に打って出ているところです。
北九州は、「北九州エコタウン事業」という、日本最大のエコタウン事業を
行っています。これは、ごみ産業を本当の産業にしていこうと取り組んで
きた事業であり、今、世界最先端の取り組みとして、
多くの方々が見学に来てくださっています。
今こそ、「エコタウン事業」や「循環型社会」と言われていますが、
この事業に取り組み始めた時に私が言われていたのが、「売国奴」という言葉です。
「北九州にごみを集めて、北九州をごみの町にするのか。」そう言われ続けました。
この事業は、現在も、まだ道半ばではありますが、
循環型社会の一歩を踏み出すチャレンジをしているところです。
環境の自慢をしてきましたが、
翻ってみると、北九州が工業地帯となり栄えてきた歴史には、
土木による埋め立てと、埋め立て地の上に工場の建設、そして、
水源の確保。こういった、バックグラウンドがあります。
私の転機となったのが、北九州市の「環境モデル都市」認定です。
北九州市は、産業基盤を活かした低炭素社会、そして、高齢者や
子どもたちが住みやすい少子高齢化に対応した社会として、
認定をされました。
私は、これまで、環境に携わってきた1人として、自負心がありました。
そのため、この時、「環境モデル都市」の青写真を描こうとした際に、
それを描くことができない自分自身に、大きくショックを受けました。
1つ1つの対策は描けても、まちとして、地域として、どういった社会を
つくっていきたいのか、全体的な俯瞰デザインを描くことができませんでした。
では、なぜ北九州市が「環境モデル都市」に選ばれたのか。
それは、この時に土木に携わる人、建築に携わる人、様々な分野の方々で、
「環境のまちづくりとはどういうことなのか。」ということを議論し、
それを基に絵を描いていったからです。
環境の人間だけでは、この事業はできませんでした。
北九州が「環境モデル都市」として目指すまちの姿の1つ、
みんなが暮らしやすい、利便性を確保したまちづくり、
「コンパクト・シティ」の創出は、まさに土木の世界だと思います。
どういう風にまちづくりの中に、暮らしやすさや利便性といったものを
織り込んでいくのか、これは環境の専門家ができる部分ではなく、
土木のベースがあるからこそできることです。
また、低炭素技術や方策を総合的に取り入れて、ゼロ・カーボンを
目指した住宅街区の創出には、エネルギー、公共交通、タウンマネジメント、
エコ住宅等、様々な要素があります。
土木の世界、そして、環境の世界といった縦割りの世界ではなく、
知恵を出し合い、考えを共有しながらやっていかないといけない。
その重要性を改めて考えさせられます。
まだまだ、北九州の中にも、土木優先、そして、環境優先といった
色合いが残っているのも事実です。
しかし、縄張りなどない、ボーダレスの時代です。
社会が最適になるように、それぞれの分野が力を合わせていくことこそが、
発展していくための流れなのではないでしょうか。
土木も環境もひとりよがりにならず、
様々な分野の中に、ボーダレスにどんどんと入り込んでいく。
土木には、まだまだ伸びしろがたくさんあると思います。
今、まさに土木の出番です。
狭い世界に閉じこもらず、土木には、社会をつくるメインプレーヤーとして、
環境と一緒に進んでいけたらと思っています。
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青い空・青い海を取り戻してきた北九州の歩みは、
土木が自然のしくみを取り戻していく歩みに向けた大きなヒントとなるとともに、
松岡様のストレートなお話は、土木と環境とが手を取り合って、
新たな一歩を踏み出す、その重要性を改めて感じたお話だったと思います。
松岡様、ありがとうございました。
(公財)北九州産業学術推進機構
★4月より、北九州産業学術推進機構に北九州研究開発事務所開設します★
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[2017.02.22]
2.07、「未来土木~人と自然とやりがいの共存を目指して~」、
本日は、大分大学医学部付属臨床医工学センター 教授:穴井 博文 様による、
『循環~心臓と地球と土木と~』と題したお話について、ご紹介をさせていただきます。
今回、心臓を知り尽くした穴井様に、医療の視点から見た土木について、
地球における自然のしくみを、心臓のしくみでお話いただき、
やりがいある土木へのヒントをいただきたい。
こうした思いから、ご講演をお願いさせていただきました。

≪穴井様より≫
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本題に入る前に、なぜ私が今日ここに来たのか、
そこからお話をさせていただきます。
私は、心臓血管外科医でありますが、
臨床医工学センターで産学官連携による医療機器開発
(東九州メディカルバレー構想事業)にも携わっています。
心臓血管外科医は、仕事上、ポンプという機械を使います。
心臓手術は、心臓を止めて行う必要がありますが、
その間の心臓機能の代行として、このポンプを使用します。
若いころ、私はその研究を行い、商品化を行った経緯があり、
それがきっかけで、産学官連携による医療機器開発に携わるようになりました。
こうした、産学官連携による医療機器開発の場合、
産学官連携も重要でありますが、それと同時に、医工連携が重要となります。
医工連携は、医学・医療従事者・医学研究者などの医療と、
工学・工学者・企業研究者・技術などの間での協力、専門知識・技術の提供、
と言われますが、私はこれだけではなく
異分野・異業種への積極的な参入と挑戦、
そして、異分野・異業種の知識・技術の学習と習得、
異業種間の情報交換とディスカッション、
これらが重要となると考えています。
これらを繰り返すことで、異業種の融合が達成でき、
医工連携が成り立つと思っています。
そして、そのためには、医学知識を持った工学者、
工学的知識を持った医療従事者、医学と工学の知識を持った研究者、
これらの人材育成が必要となると考えています。
異業種の中に飛び込み、人材育成を行っていく。
このことは、医療の世界だけではなく、土木の世界でも同じことだと思います。
こうした異業種交流のお話で、コイシの社長と話が盛り上がったことが
きっかけで、今回、お話をさせていただくこととなりました。
社長からは、宇宙と地球の自然のしくみを、心臓の動きにたとえ、
土木の将来につながるような話をして欲しい、そうお願いをされています。
そもそも、「循環」とは、物質・物体・概念・状態が
繰り返しめぐり、まわることを指します。
血液は、結晶と呼ばれる液体成分の中に、血球(赤血球、白血球、リンパ球、
血小板など)が浮遊していますが、この血液の循環の中心の働きを
担っているのが、心臓です。
そもそも、この血液循環はなぜ生じたのでしょうか。
生物の起源は、単細胞生物であり、この単細胞生物が進化し、
植物や昆虫、人間となっていったと言われています。
最初の単細胞生物は、海の中で生まれたと考えられています。
単細胞生物は、細胞を通して酸素や養分を取り込み、
老廃物は排出するという働きを行っています。
単細胞生物が進化をし、多細胞になり、器官を形成し、
臓器をつくり1つの個体となっていく中で、
海から直接、酸素や養分を取り込むことができなくなり、
それぞれの細胞をめぐる海が必要となり、体内に海をつくるようになりました。
血液は、心臓、肺、消化管、肝臓、腎臓を循環することでつくられます。
血液は、恒常性のある「海」だと、私は考えています。
ところで、動物の生活活動は、動くことと子孫を残すことです。
動くことについては、脳・神経・骨格・筋肉といった、
運動器官があれば動くことができます。そう考えると、
循環(を含めた内臓の働き)は、動物の動くことと生殖の使命を維持するための
生命活動だと言えます。
動くという点だけを見れば、
脳をAIやコンピュータが、神経を電線が、筋肉をモータが、
骨格をシャーシーが担えば、エネルギーは電池となり、循環は不要となります。
しかし、これらは生命体ではなく、子孫を残すことはできません。
循環があるからこそ、生命を維持することができると言えます。
さらに、地球に目を向けてみると、水の循環や大地の循環をはじめとして、
地球にも循環があることが分かります。
山が水を蓄え、山を流れる川が豊富な栄養を吸収し、
それが、河口付近の魚介類を美味しくします。
これらを考えると、自然の1つ1つは四季を形成する、
臓器のようなものではないでしょうか。
そう考えれば、人間は地球にとっての1つの細胞でしかないのかもしれません。
水の循環は、地球上の生物を維持するための地球の生命活動であり、
そのエネルギーが太陽。人間にとっての心臓と同じではないでしょうか。
一方で、人類は、高潮・高波・洪水等、この循環と戦ってきました。
そして、灌漑等、生活に利用をしてきました。
土木が、水不足に対して用水路をつくる、そのことは、
医療が狭心症となり、血管が細くなり血液が不足している患者さんに、
バイパス手術をする、そのことと一緒ではないかと思い至ります。
そう考えると、河川の氾濫は大動脈瘤の破裂、堤防は人工血管置換、
これらに相当するのかもしれません。
こうして考えていくと、
土木は「地球の循環の制御」だと、言えるのかもしれません。
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大分大学医学部臨床医工学センター
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[2017.02.21]
2.07、「未来土木~人と自然とやりがいの共存を目指して~」、
本日は、ライター・九州文化研究家:田端 慶子 様による
『女性から見た九州の土木』と題したお話について、ご紹介をさせていただきます。
昨年末、田端様の著書『九州びいき』を読んだ弊社社長が、
田端様の九州への熱い想いに共鳴し、
九州を愛し、九州を知り尽くした田端様に、
九州の土木についてお話をいただきたい、
そういった思いをきっかけに、今回、ご講演をお願いさせていただきました。

≪田端様より≫
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これまで、九州の様々な場所をめぐり、たくさんの人に出会い、
美味しいものを食べ、自然に触れ、九州の良さを実感し、
その魅力を発信してきました。
本日は、こうした九州の魅力と土木とをつなげ、お話ができればと思っています。
今回お話をさせていただくことになったのは、
今年の1月2日、コイシの社長からもらった1通のメールがきっかけです。
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三浦梅園哲学を勉強して、自然のしくみを勉強して、
これからは、国交省だけの仕事ではなく、環境省・文科省が考える土木をし、
やりがいある土木にしていきたい。
インフラの土木だけではなく、
山をどうするか、川をどうするか、海をどうするか。
どんなに素晴らしい考えがあっても、
どんなに素晴らしい物を創っても、
空気が汚くなり、山が荒れて、川も海も汚くなったら意味がない。
『九州びいき』を読んだので、あなたに講演をお願いしたい。
土木を変えていくのは、女性のような気がします。
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『九州びいき』には、土木の話は全くでてきません。
正直、「なぜ、私なのだろう。」という思いを抱きました。
一方で、土木に携わってきている方から、
「これからの土木を変えていきたい。」、「みらいをつくっていきたい。」
こういった言葉が出ることが、とても驚きでした。
政治を見ていても、反対をするのは多くの場合は野党です。
コイシの社長の言葉は、与党が「やっぱり変えていかなければいけない。」
そう言っている。そんな印象でした。
「ここから土木が何か変わっていくかもしれない。」
そういった予感と、歴史的瞬間に立ち会えるという思いを抱き、
何かお役に立てればという気持ちで、今回お引き受けをしました。
私は、福岡市生まれ福岡市在住で、
これまで一度も地元が変わったことがありません。
大学も徒歩圏内。学生まではとても狭い世界で生きてきましたが、
ライターとなってから、世界が一気に広がりました。
九州各地に取材に行き、
私のフィールドは、福岡市、そして、福岡県、
そして、九州へと広がっていきました。
私の大きな転機は母校である高校で、
広報の仕事や作文・小論文の指導を行うようになったことです。
高校時代、田んぼだらけと思いながら通学をしていましたが、
その田んぼも、昭和天皇即位の折に、献上米を育てた田んぼだと知りました。
田舎だと思っていたその場所も、日本のお茶発祥の土地だと知りました。
学生時代は知らなかったこと・気付かなかったことを、
働き出して知り、気付くようになりました。
福岡市とは思えない程、自然豊かなその土地に、
「地元すごいやん!!!!」とその時に思ったのです。
「隣の芝生は青い」と言いますが、
「足元の芝生の美しさを愛でよう」。
身近にあるものの良さを感じ、愛していく。
その大切さに気付きました。
これまで、『九州びいき』をはじめ、
地域の「+」に目を向けた本を執筆してきました。
『九州びいき』はその名の通り、
九州をひいきした、九州の良さを全面に出した本です。
どうでもいいもの、気持ちのないものに対しては、雑に扱ってしまいます。
一方で、大切なものは、誰しも大切に扱います。
「大切だ」と気付けば、誰もがそこに愛を注ぐことができるのです。
改めて、本日の私の講演テーマ「女性から見た九州の土木」を考えてみると、
そもそも「土木って何?」と感じたのが、正直な思いです。
「土木」と言われ、ピンとくるものがなく、
その時に、「これまで土木を意識して生きてきたことがなかった。」
そのことに気付かされました。
では、なぜ身近に感じてこなかったのか。
遠い世界だと、知らず知らずのうちに感じていたのか。
よくよく考えてみると、私の中で、
「土木=男の世界」、「土木=大規模工事」、「土木=ゼネコン」。
そういったイメージを抱いていたことに気付きました。
でも、私が抱くそのイメージは本当なのか。
今回、改めて「土木」についてよくよく考えてみると、
「土木=人類平等」、「土木=身近な生活」であり、
道路、新幹線、空港、橋…土木のおかげで、
私たちの生活が快適になっていることに気付かされます。
これまで、どうしてその土木のありがたさに気づいていなかったのか。
身近にあって、ないと困るものを大切にしてこなかったのか。
先程、「足元の芝生の美しさを愛でよう」と言いましたが、
土木も「足元の芝生」。
私が気づいていなかった1つだったと、気付きました。
ここからは、会場の皆さんと未来の土木について、
考えていきたいと思います。
≪ワークショップ≫
ワークショップでは、会場の皆さんからも「土木って何?」について
ご意見を頂きました。
このように、いろんな視点、いろんな立場の人が話をしていくことは
土木がもっとよくなるきっかけとなると思います。
こういった、意見を交わせる機会や場所が今後も増えていくことを願っています。
そして、女性が土木に参加することで、土木の世界で新たなうねりが
起きればと思います。
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田端様の書かれた『九州びいき』によると、
大分県人の女性の恋愛特質の1つとして、
「結婚をすると、相手を裏切らないように努める。」とのことです。
皆様も、ぜひ、田端様の九州への思いが詰まった『九州びいき』を、
お手にとってご覧いただけたらと思います。
田端慶子様HP
九州びいき
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[2017.02.20]
3月9日(木)、㈱大銀経済経営研究所様主催の、
九州経済白書講演会にて、弊社代表が講演をさせていただきます。
今回は、
・コイシの会社概要や社風から考える、コイシが生き抜いてきた考え方とは…?
・コイシの女性(こいし小町)の働き方とは…?
・コイシメンバーとしての心構えとは…?
こういった内容について、お話をさせていただく予定です。


お時間のある方、ぜひお越しくださいませ。
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【日時】2017年3月9日(木) 13:30~15:45
【会場】大分銀行宗麟館5階 大会議室 (大分市東大道1丁目9番1号)
第1部 13:40~14:40 「人材枯渇時代を生き抜く地域戦略」
公益財団法人九州経済調査協会 調査研究部 主任研究員 大谷 友男 様
第2部 14:45~15:45 「建設業における女性活用の取り組み」
株式会社 コイシ 代表取締役 小原 文男
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九州経済白書講演会
参加希望の方は大銀経済経営研究所様HPより申し込みください。
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[2017.02.15]
2.07、「未来土木~人と自然とやりがいの共存を目指して~」、
本日は、三浦梅園資料館 研究員:浜田 晃 様による
『三浦梅園に学ぶこと』と題したお話についてご紹介をさせていただきます。
三浦梅園は、江戸時代の大分県国東市の哲学者です。
講演会テーマ「未来土木」を考えるにあたり、
自然を活かし、人の知恵を入れ、より心豊かなものを創造
しようとしてきた三浦梅園の考え方からヒントをいただけるのではと、
今回、浜田様にご講演をお願いしました。

≪浜田様より≫
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1723年に生まれ、67年の生涯を国東半島で過ごした三浦梅園は、
あらゆるものごとに疑問を抱き、根拠を問わずにいられない性格でした。
医者として生きる一方で、自然の研究に取り組んでいました。
三浦梅園との出会いは、卒業論文のテーマを決めようと、
書籍を探していた時に、たまたま目に止まった、
岩波文庫から出ている『三浦梅園集』という本です。
本の中にある三浦梅園の言葉、
「このように広い世の中で、このように長い年月を重ね、
このように多くの人々が思慮を重ね、日々、昼夜、
隠れることのない自然を解明できる人がいないのはなぜだろうか。
それは、生まれて、まだ知恵がつく前から、
この自然を見慣れ、聞き慣れ、触れ慣れて、それが習慣と
なってしまい、物事をなぜだろうと疑問を抱くことが
生まれてこないからなのです。」
この三浦梅園の言葉に、
江戸時代に、真理の解明の大切さについて
理解していた人がいたことを知り、驚きとともに感銘を受け
私は、名古屋の高校で国語の教師をしていましたが、定年退職後、
国東へと移り住みました。
国東には、四季折々の自然の美しさがあるとともに、
歴史・文化・人々の暮らし、これら全てが調和しています。
国東に住んでいる人にとって、これらは当たり前のことかもしれませんが、
外から国東に来た人にとっては、そのことがとても印象的でした。
土木の語源について調べてみると、
中国の紀元前の頃の著『淮南子(えなんじ)』に記された、
「築土構木」いう言葉から生まれたという一説とめぐりあいました。
昔、人々は穴ぐらの中に住み、冬は非常に寒く、
夏になれば非常に暑かったけれども、
聖人が家を建てたことで、人々は安心して生活ができるようになった。
「土木」という言葉には、
人々の生活を快適にし、豊かにするという意味が込められています。
三浦梅園は、「学問は飯と心得べし。掛け物のように
人に見せるためにあらず。」と記し、人に自慢するものではなく、
生活を豊かにするものだと言っています。
現実を客観的・科学的に見ることで真実に迫る。
それを現実に返し、人々の生活を豊かにする。
講演会のテーマである「未来土木」を考えるにあたり、
200年前の三浦梅園のこの考え方を活かすことができるのではないでしょうか
これから先は、新たな基盤をつくる時代です。
何をどのようにつくっていけばよいのか。
それは、土木の課題でもあると思います。
自然と一体となった、自然を活かしながら、
人々の生活を豊かにする土木をみんなでつくりあげていくことで、
土木も、地球もよくなるのではないでしょうか。
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文章にするとなかなかお伝えすることができないのが、
とても残念なのですが、浜田様の、穏やかで優しい語り口調でのお話は、
会場にいる人々の心にすんなりと響き、内容がすっと入ってきました。
豊後三賢の一人の三浦梅園。
大分県民の方でも知らない方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
興味のある方、ぜひ、三浦梅園資料館に足を運んでみてください。
★三浦梅園資料館★
〒873-0355
大分県国東市安岐町富清2507-1
TEL:097-864-6311
FAX:097-864-6310
開館時間:9:00~17:00
入館料:一般(高校生以上)300円 (団体200円)
小中学生200円 (団体100円)
※団体は10名以上
休館日:月曜日(祝日の月曜は開館し、翌火曜を休館)、祝日等の翌日
年末年始(12月29日~1月4日)
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未来土木④
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[2017.02.14]
2.07に行った、「未来土木~人と自然とやりがいの共存を目指して~」。
少しずつではありますが、これから、この場で、
当日の内容やこぼれ話などをご紹介させていただければと思います。
本日はまず第一弾。
国東市市長:三河 明史 様のご挨拶をご紹介させていただきます。

≪三河市長より≫
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本日の講演会は、「未来土木」というテーマのもとに、
様々な分野の方々が集い、大変ユニークな講演会だと思います。
ここ国東は、雨の少ない温暖な気候という特徴から、
みかん・梨といった多くの農作物に恵まれるとともに、
たこ・太刀魚、椎茸といった、海の幸・山の幸が豊富な土地柄となっています。
2013年には、循環型の農業が伝統的に形成されてきたことから、
「世界農業遺産」に認定されるとともに、2016年には、
「バイオマス産業都市」に認定され、
これまで以上に、循環型のまちを目指そうとしています。
こうした、自然豊かな国東にて、
自然と土木技術とがどう折り合いをつけていくのか、
学び・話し合いを行うことができることは大変有意義なことだと思います。
2018年、国東では六郷満山開山1300周年を、
2019年には、ラグビーワールドカップ、
2020年では、東京オリンピックが開催されます。
海外からの観光客の増加が予想されますが、
関東・関西だけではない、大分そして国東の魅力を
内外に発信いただければと思います。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
今回の「未来土木」を国東市にて開催するにあたり、
たくさんの国東市の方々に、ご協力をいただき、大変お世話になりました。
誠にありがとうございました。
「国東に足を運んでいただいた来場者の方に、
国東のことをもっと知ってもらいたい!」
そうした思いから、国東半島のリーフレットをお配りさせていただけないか、
国東市の観光課の方にお話をさせていただきましたところ、
快く、下記の国東半島マップと、国東市のマスコットキャラクター:さ吉くんの
缶バッチもご提供いただきました。
国東半島マップ

※ さ吉くんは、国東半島に太古の昔より住む男の子(たぶん)の妖精(推定1000歳)です。
弊社も大分空港より車で3分程の位置に、
「コイシ3D開発国東営業所」があります。
国東出身メンバーも多くおり、「人と人との温かいつながり」が、
国東の魅力と口をそろえます。
国東の皆様に大変お世話になり、国東の方々の温かさを感じた2.07でした。
本当にありがとうございました。
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[2017.02.09]

先日、コイシニュースでもご案内させていただきました、
去る2月7日、「未来土木~人と自然とやりがいの共存を目指して~」を、
国東市のアストくにさきにて開催をさせていただきました。
当日は、200名を超える方々にご来場いただきました。
感謝申し上げます。
北九州会場では、一部音声が聞き取りづらい等でご迷惑をおかけいたしました。
また、主催・運営が不慣れであったことや、駐車場~会場運営まで、
全てコイシメンバーにて行った手作りの講演会であったため、
至らぬ点も多々あったかと思いますが、
皆様のご協力のおかげで、無事に終えることができました。
重ねてお礼申し上げます。
ご来場いただいた方々からは、多くの温かいお言葉もいただき、
たくさんの方々に応援をいただいていることを、
改めて感じております。
これからも現場のためになる、現場の役に立つ取組、
そして、コイシらしい新たな挑戦を行っていきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
講演会の様子や、2月7日までの準備の様子については、
別記事にて、少しずつご紹介をさせていただきたいと思いますので、
ご覧いただけましたら幸いです。
この度は、誠にありがとうございました。
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