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☆ 冬季休暇のお知らせ ☆

[2018.12.29]

☆ 冬季休暇のお知らせ ☆

誠に勝手ながら、12月29日(土)~ 1月6日(日)の間
冬季休業とさせていただきます。
尚、商品の受付・発送は1月7日(月)からとなります。
御了承のほど宜しくお願い致します。

本年も大変お世話になりました。
来年もよろしくお願い致します。

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9.20 第二回九州未来土木 in博多 講演レポート⑥

[2018.12.28]

講演Ⅵ「21世紀は森・里・川・海の復活を目指そう~環境省の支援した荒瀬ダムの撤去について~」
奥田 直久 様 環境省 地域循環共生圏プロジェクトチーム
(つなげよう、支えよう 森里川海プロジェクトチーム) 副チーム長
9.20奥田様




1986年に自然系技官として環境庁入庁。中部山岳国立公園上高地地区、
在ケニア日本大使館等での勤務を経て、環境省那覇自然環境事務所長、
生物多様性地球戦略企画室長、野生生物課長などを歴任。自然環境計画課長
として自然再生事業の推進、生態系を活用した防災・減災の考え方の普及などを担当した後、2018年7月よりサイバーセキュリティ・情報化審議官として災害対策や国土強靱化の省内調整等を担当しつつ、「つなげよう、支えよう森里川海」(地域循環共生圏推進)プロジェクトを副チーム長として推進中。


1、つなげよう、ささえよう 森里川海プロジェクト
【森・里・川・海の水・物質循環が生み出す生態系サービス】
〇プロジェクトの目標
・森・里・川・海を豊かに保ち、その恵みが循環する社会をつくります。
・森・里・川・海を支える社会、人と自然、地方と都市が共生する社会への変革をはかります。

森・里・川・海の生態系サービスがどこからきて誰が享受するのかを考えたとき、生態系サービスが生み出されている農村や漁村と、享受する都会。このサービスを守り供給する資金や人材は不足している。この関係を意識する事でお互いが支えあう仕組みを作りたい。
具体的に成熟した社会を作り、地域で経済が循環する仕組み。様々なブランディングや「安心安全、豊かさ」というものをすべての国民が享受していこうというものを目指してい  る。その中で人材育成や資金作りをどう目指していくか、もしくはどうライフスタイルを変 えていくかといのを様々な取り組みを行っている。

2、生物多様性保全回復整備事業(荒瀬ダム撤去)
【生物多様性保全回復整備事業の概要】
 地域の生物・生態系の有機的なつながりの確保による一体的な生物多様性の保全・回復の促進を図るため、生物多様性の保全上重要な地域と生態学的に密接な関連を有する地域における保全・回復を促す事業に対する、都道府県への交付金事業として平成24年に創設。この最初のプロジェクトとして荒瀬ダムが選ばれて2012年から2019年の計画期間の中で事業が行われた。なお、撤去のための事業は環境省の国費だけで賄われているわけではなく、様々な他省庁からの事業も入れられている。
【荒瀬ダム撤去の概要】
荒瀬ダムは、熊本県が1953年に着工し、1954年から発電事業を行っていたダムである。2000年の水利権の更新の際に、周辺の環境問題もあり、撤去すべきではないかという議論が上がっていた地元の声を受け、2002年にダムの撤去を決定。しかし、費用の捻出ができず2008年に一度凍結。そして生物多様性条約COP10が開催された2010年に、水利権更新が困難なこと等からダム撤去の方針が確認され、環境省でも前述の交付金事業の予算を確保した。それが一つのシードマネーとなって日本で初めてのコンクリートダムの撤去工事が始まった。工事そのものが環境への影響を与えてしまうということになると元も子もないので、土木技術者の方々や県の企業局が中心となり綿密な計画を立て、昨年度で撤去が完了した。撤去中は毎年2回、撤去後は年に1度委員会を開き、様々な環境モニタリングを実施している。

〇番外編・環境省の考える土木事業のあり方を考える事例 ~自然再生事業~
【自然再生事業】
2002年にできた生物多様性条約に基づく国家戦略が自然再生の重要性を提起。それを受けて自然再生推進法が制定され、ここから環境省も国交省や農水省と積極的に手を組むようになった。これはある意味、自然環境保全行政の転換期であったかもしれない。

【自然再生の基本方針】
・地域の多様な主体と参画の連携
・科学的知見に基づく実施
・自然環境学習の推進
・地域の産業と連携した取り組み

それまでの環境省は自然を守ることを優先し、国交省や農水省と戦うことが多かった。
環境省がダメというだけなら、国交省の志のある人たちと直接話をした方が早いというNGOもいた。そうした方たちとも勉強会をしながら、当時の環境省自然環境局の幹部が国交省、農水省と対峙せず協働することはないかと考えたことの1つが、自然再生事業。議員立法で作られた自然再生基本法では、地域ベースの協議会による取組みの構想や計画を、国交省、農水省、環境省が送付を受けて、専門家の意見も聞きながら助言を行いつつ、地域が主体となって事業を進めていく。荒瀬ダムの取り組みは、この法律に基づくものではないが、関係者が協議しつつ専門家の意見も聴き実施する、という同様の流れに沿って進められた。
環境省自身も、公共事業として直接、森林の回復や湖の湖岸植生の回復、新たな技術でサンゴ礁の植え付けなどの事業を、同様に行っている。

【最初のパイロット事業 釧路湿原自然再生事業】
釧路湿原の環境をラムサール条約登録時の状況に戻すために、環境省、国交省、農水省が一緒になって取り組んだ初の事業。
直線の河川を蛇行化させる取り組みなどを行い、実際に生き物が戻ってきている。
【三陸復興国立公園 祝浜自然再生施設】
東日本大震災を機に、公園区域の変更を行い、保護事業施設を計画。小さな防潮堤とスロープに簡易魚道を設置していきもののつながりを戻したり、湿地化のための細かい土砂を戻すための手作りに近い工事など、地元の中で様々な議論が続けられてる。

3、生態系を活用した防災・減災の考え方
危険な自然現象というものは今後どんどん増えていく。それが直接当たる場所、守られていない場所を少しでも少なくする。脆弱性があるところをどう低減させていくか。こういったことにどう生態系をうまく活用させていこうかと考えている。
様々な形を検証しながら、その土地に合ったものを考えることが必要。

4、まとめに変えて
森・里・川・海のつながりを回復するといっても誰がどうするのか?
環境省だけでできることは限られている。
農水省は里地里山、田園地帯の保全をしたり、国交省は河川の管理、河川の再生をする。こういった取り組みを様々な利害関係者が一緒になってやることが重要である。
協調してやることはけして簡単ではないが、目指すところが一つであれば、こういったことも取り組みが進められるのではないかと考えている。
グリーンインフラの概念を活用すれば、様々な行政目的での自然の恵みをうまく評価をしながら、地域が望む姿を作っていくことができる。森里川海の究極の課題は、我が国の土地利用をどうするかだと思っている。これから様々な取り組みをしながら考えていきたい。

【未来土木に向けて】
自然との共生を目指して、以下のような考えで進めていくことを期待。
・自然と対峙(克服)する形から、自然のことわり(理)に沿う形に
・ハードだけで解決するのではなく、ソフトと組合わせて考えることも重要
・事業を進めるに際しては、地域の関係者の間での合意形成が第一
・地域の特性を考慮し、テーラーメイドで(地域特性に即して)進めることが重要



環境を守るだけだった事業から、各省庁と協力しながら環境の再生事業へ転換するさまが
未来の土木を考えるうえでとても重要で、興味深いことだと感じました。

奥田様、ありがとうございました。

環境省

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9.20 第二回九州未来土木 in博多 講演レポート⑤

[2018.12.26]

産学官の官 講演Ⅴ「AI・ロボットの導入に向けた土木研究所の取組み」
新田 恭士 様((国研)土木研究所 技術推進本部 先端技術チーム 上席研究員)
9.20新田様




筑波大学第三学群基礎工学類卒業。国土交通省入省、国土技術政策総合研究所など勤務。平成30年4月より現職、土木研究所において先端技術(インフラ点検ロボット用AIやICT施工など)にかかる研究プロジェクト立上げを担当。



【進化するICT】
 ・自動車自動運転技術の紹介

【疑似体験による情報共有、意思決定(VR技術)】
・VR技術を利用し、土木工事の監督や検査など、現場に移動することが大変な場合に、離れた場所でもコミュニケーションができる。コミュニケーションツールの紹介

【点検の未来像】
・NEC作成のドローンによる構造物点検のイメージ動画
1人で10台くらいの様々なセンサーを搭載したドローンを操作し、一気に橋の下などを点検していく。このような形で取ったデータを遠隔地から熟練技術のある診断ができる人が見ている。ゆくゆくは、先々の予測も瞬時にわかるようになるようなシステムを目指している

1、ロボットの導入検証について
国土交通省で3年間、現場検証の担当をしており、ロボットの開発者の方々に、広くインフラ分野で使えるロボットを公募。それを実際の現場に持って行って検証するというプロジェクトを行う。
災害時の応急復旧や、・災害調査用・無人化施工用ロボットというような非常にたくさんの素晴らしい技術が提案された。【レーザースキャナ搭載型UAV】【高機能型UAV】【サイフォン排水・応急復旧技術】など。技術はどんどん進歩している。

2、 インフラ点検の未来像と課題
インフラ点検に関しては、ロボットの機能は「行く・見る・損傷部を検出する・記録する」という仕事があり、様々なロボットが提案されている。このプロジェクトの時にインフラ用ロボットの重点導入分野について国交省と経産省で協力して5つの分野を設定した。
橋梁の点検、トンネルの点検、ダム・水中の点検 こうした維持管理分野と災害分野で
実際の現場で使えるかという検証した。

【ロボットAIの必要性】
橋梁を例にとると、全国に70万件あり、9割は自治体が管理している。労働人口はどんどん減っており、担い手不足の中でロボットを使っていく必要があるのではないか。

【従来の点検の進め方】
〇調査→準備→近接目視点検→報告書作成
PC橋は0.1ミリ幅のクラックを記録するという事が、国の直轄の点検要領に書いてあり、損傷図という提出書類を作らなくてはならないので、どんなに大きな構造物でも実際に近づいて行って、見つけたらスケールをあてて図ってチョーキングをいれて写真を撮影するという事を行っている。非常に危険でかつ体力のいる作業をしていただきながら点検調書を作っている。これはものすごくコストと人手かかかっている。

【ロボット手法(当面)】
〇調査→準備→近接目視点検→ロボット(記録)→報告書作成
ロボットを当面使うとしたら、今の近接目視で行うことが前提なのでそれを実施したのちにロボットを使って記録していこうと国交省で考えている。しかし、人が全部見ることに変わりなく、コストはあまり安くならない。

【ロボット手法(近い将来)】
〇調査→準備→ロボット(スクリーニング)→近接目視点検→報告書作成
ロボットに先に全部見させてロボットが見つけた悪いところに人を送りこむという点検の方法を考えたい。しかし管理者の責任問題があり、簡単にロボットで点検しましたという事では認められないという状況である。

【点検対象の損傷・部材、性能要求のイメージ】
0.1ミリのクラックを100パーセント検出するという要求性能に対して、その性能を持ったロボットというのは、ない。しかし、100パーセント確認できれば使ってよいというところまで来ている。ロボットで撮影する橋は様々な形状があるので、簡単にはいかない。橋の場合は26種類の損傷をすべてチェックしなければならない。橋によって検出条件も違うので、これに対してどのように対応するのかというのも詰めている。

【橋梁写真管理の難しさ】【点検写真の3次元ビューワーの例】
点検調書や写真台帳に一つの橋で、何千枚という写真が必要。
橋というのは複雑な形が多いので、どの場所の写真を撮ったのかというのを平面図で表現するのは難しい。
そこで、3Dモデルに写真をつけて3次元納品する事で点検のやり方を変えることができるのではないかと考えている。3次元ビューワーを用いてバーチャルで定点観察ができるような技術が出てきている中で、国土交通省は今年度から3次元の点検写真を電子納品できるような要領を作り、全国の整備局(各地整備局で一か所だけ)でロボット点検業務を施行でやりはじめた。一か所だけ開発中の技術でも新しい技術を行使、公共工事費と合体して発注しても良いという制度が今年からスタートしている。

3、AI開発導入環境の整備について
今紹介したような話は、完全なものができる前段階の技術だが、完全なものになるまで技術が導入できない。導入するまでに最低15年くらいかかる。
新しい技術を取り込むという事に対して、どん欲にならなくてはいけない、そして変えていかなくてはならないが、我々が今、変えていくためのプロセスを今持っていないのではないかと考えた。

AI、ディープラーニングというのが流行っている。
AIが判断をできるようになるためには、大量のデータをAIに教えてあげることが必要になる。今年度新たに立ち上げた政策の一例で、これまではロボットが撮影するという効率化に終始していたが、これからは考える事、判断の効率化につなげていく。たくさん撮った写真をAIに判断させて。それを、最終的には人に判断させるという世界を実現するために、AIを開発できるようなプラットフォームを作っていきたいと考えている。これまでは国が中心になって、公共土木事業の場合はこういうルールや政策で展開しましょう、ということをやってきたが、ロボットAIというものを見てきたときに、もうそこには限界がきていると感じている。
新しい技術で、こういう仕事の仕方ができます。こういう仕事の仕方をやったらどうですか?というようなことを国も提案していく。
AI技術開発者の領域と、国のような管理者の領域の協調領域の部分で、新しい技術の使い方を提案していくような仕事の進め方をやっていかなくてはならないと考えている。

【インフラ分野に必要な3つのS】
〇Start Up 中小の企業の力を生かしていくこと
〇Speed Up 国のサイクル(一年で予算要求して実現)では遅い。もっと早く動けるように、民間の資金もどんどん使えるような仕組みを作ること
〇Sand box  実証できるような機会を作っていくこと
一部割愛しましたが、このような取り組みで新しい技術を育て、豊かな社会を築いていきたいと考えています。
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具体的な事例をあげて、AIやロボットの必要性や新しい技術を取り込むことの重要さをお話しいただき、また、文章ではお伝え出来ない新しいVR技術の動画など、とても興味深く拝見させていただきました。

新田様、ありがとうございました。

土木研究所

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9.20 第二回九州未来土木 in博多 講演レポート④

[2018.12.25]

講演Ⅳ 「未来土木」
島谷 幸宏 様 九州大学 大学院 工学部 環境都市部門教授
9.20島谷先生



1955年 山口県生まれ。
建設省土木研究所、九州地方整備局の武雄河川事務所長を経て、現在九州大学大学院教授。専門は河川工学、河川環境。近年取り組んでいる研究は多自然川づくり、自然再生、災害復旧後の河川整備、東北の震災復興、川の風景デザイン、流域全体での水循環系の保全、中国太湖の環境保全、合意形成手法の確立、技術者の技術力向上などをテーマに精力的に取り組んでいる。最近は小水力発電施設の導入の研究も始めた。基本的にプロジェクトベースの研究である。
 性格は陽気でおおらか。趣味は川で調査すること、おいしいものを食べること。これまでに関係した主な河川をあげると埼玉県黒目川、神奈川県境川、多摩川宿河原堰、多摩川河原の復元、霞ヶ浦や宍道湖の湖岸の再生、佐賀県松浦川アザメの瀬湿地再生、宮崎県北川激特事業、宮崎県大淀川河畔地区景観整備など多数。著書に水辺空間の魅力と創造(共著)、河川風景デザイン、河川の自然環境の保全と復元、エコテクノロジーによる河川・湖沼の水質浄化,私たちの「いい川・いい川づくり」最前線(共著)などがある。


1.人々が求める未来のイメージについて
アトム型(人工的都市)とトトロ型(自然との共生型)のどちらが良いかというアンケートをとるとトトロ型の未来を希望する人が多いです。

2.第四次産業革命について
第四次産業革命では、3Dプリンターによって、力学が変わり、求められるのは、設計者からデザイナーへと変化します。

3.災害問題のキーワード「グリーンインフラ」
現在、災害問題のキーワードとして注目を集めているのが「グリーンインフラ」です。
(グリーンインフラとは、生態系の機能を活用したインフラストラクチャ―の事です。それが更に発展した形でECO-DRR(生態系を活用した減災・防災)が世界的な潮流です。
そこで、日本の水害防備林や、置磯工等の伝統技術に期待されています。水もエネルギーも地域単位で自立することが大事だと考えます。
グリーンインフラは、生態系の機能を活用し、洪水を防御し、健康・水質改善などの多面的なメリットがあります。
しかし生き物を主軸にしているため、安全面にも揺らぎがあります。揺らぎがあるという考え方はこれまでのインフラと異なるため、なかなか受け入れられにくい現状が日本にはあります。

4.私たちの活動「あまみず社会」
私たちは、都市に降る雨を活用して、洪水を減らす「あまみず社会」という活動をしています。本来、あまみずを貯留・浸透・活用し、その経路を見えるようにし、それを活用することで、洪水の量を減らそうという活動です。本来見えなくてはいけないものを見えなくしていることが、問題を複雑にしているように思います。地震もそうです。

5. 九州北部豪雨での活動について
また、九州北部豪雨の災害復興に当たり、26集落を対象に集落会議を開催しました。集落会議では、住民同士の悩みを共有し、解決出来るように努めました。
さらに各集落に学生を1人ずつ配置して、住民の声を聴き新聞を作る活動を行いました。被災者の方々は議事録を作る余裕がないため、復興新聞は大変喜ばれました。また、復興協議会へ参加は各コミュニティ(8から10ぐらいの集落の集合体)から2名しか参加出来ません。この新聞によって、代表の2名の方も他の集落の住民の意見を理解できるため、協議会へ反映することが出来ます。

6.まとめ
人間の感覚の範囲の自然の地形に基づき暮らしを考え、自立分散型循環型の社会にすることが未来土木の方向性だろうと思っています。交通物量に関しても、人間の感覚と同じくゆったりと動くものにし、ただし急ぐものは自動運転のドローンと融合していくのではないかなどと妄想しています。

~・~・~・ ~・~・~・ ~・~・~・

印象に残った言葉が、見えなくてはいけないものを見えなくする事で複雑にしている。それを、見える化していくことで、やりようによってはとても良い町になるとおっしゃっていた所です。その見える化しているところを自然に逆らわない、トトロのような町の様に見せることで、私たちは、より一層自分たちの町を愛せ自然と共生していくことが出来るのではないかと思いました。

島谷様、ありがとうございました。

島谷様 HP

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9.20 第二回九州未来土木 in博多 講演レポート③

[2018.12.21]

第二部産学官の

講演Ⅲ「2038年 南海トラフの巨大地震」
尾池 和夫様 地震学者 京都芸術大学 学長
9.20尾池先生



1940年東京生まれ高知育ち。
 1963年京都大学理学部地球物理学科卒業後、京都大学防災研究所助手、助教授を経て1988年理学部教授。理学研究科長、副学長を歴任、2003年12月から2008年9月まで第24代京都大学総長、2009年から2013年まで国際高等研究所所長を勤めた。2008年から2018年3月まで日本ジオパーク委員会委員長。2013年4月から京都造形芸術大学学長。
 著書に、『新版活動期に入った地震列島』(岩波科学ライブラリー)、『日本列島の巨大地震』(岩波科学ライブラリー)、『俳景(四)ー洛中洛外・地球科学と俳句の風景』(マニュアルハウス)、『2038年 南海トラフの巨大地震』(マニュアルハウス)、『あっ!地球が・・・―漫画による宇宙の始まりから近未来の破局噴火まで―』(マニュアルハウス)、句集に『大地』(角川書店)、『瓢鮎図』(角川書店)などがある。


南海トラフは、巨大地震に向かって、地震活動期限の地震ピークを2038年12月にむかえます

1.過去に学ぶこと
20世紀最大の地震は1976年唐山地震でした。24万人の死者は出ましたが、地震予測もあり工場の補強、医薬品の準備をしていました。これがなければもっと被害が出ていのではないかと思います。中国の最近の若者は、過去の歴史を知らないので、私の本を中国語に訳して出版されました。こうやって学ぶことが大事です。

2.記憶の仕方
私は、筆記用具を持ち込めない手術室や福島の原発現場等では、俳句を詠んで頭に記憶するようにしています。
コイシの社長にも勧めましたが、皆さんもやってみてはいかがでしょうか。

3.地震記録からの世界貢献
日本は、古文書の津波記録からスーパーコンピュータで解析して、アメリカの西海岸でM9クラスの地震があったと推定しました。アメリカの歴史にこの情報を加えられたのは日本の最大の国際貢献だと思います。

4.防災について
地震が起きて座り込む状態は、震度が6だということがわかります。そして、揺れている時間を数えます。1秒で2kmの岩盤が割れます。
100秒で、200Kmの岩盤が割れたということがわかるので、津波がくると推定できるのです。そしたら、自発的に逃げることです。
逃げた後、安全な場所でメディアの情報を確認するというように、メディアの情報で動くのではなく、自分で見当をつけて逃げることが大事です。
普段から、小さな現象はよく起きているので、情報を大事にし、自分の住んでいる場所がどんな地盤か確認して、日常から対策をとることが大事だと考えます。

6.今後の地震予測
日本は、漢の時代、皇帝が間違った政治をしたら大地震が起こると言われていたのを、菅原道真が受け、この時代から地震を記録するようになりました。古文書から、活動期と静動期が100年毎にやってくると見えてきて1955年が活動期に入り、2038年がピークになります。これは、室戸岬の石積から推測しました。
南海トラフは過去に9回も地震の記録が残っているので、これを分析し、2038年12月がピークと予測しました。
地震は過去の記録から分析することで、地震予測がつき地震対策には有効と考え、私は、政府へ地震火山庁の設置と、地震火山予報士制度の擁立、地震予知実用化へ向けて進言しましたが、政府はこの文言を削除するよう求めてきましたので、擁立は難しいところです。

7.まとめ
まとめになりますが、私達は皆さんに、ジオパークに行っていただき、食べて学んで、珍しい大地の仕組みを学び俳句を詠んで欲しいと思います。
もし地球に意志があり、その地球が持続可能性を追求しているとします。地球は存在し続けようとするわけですから、人類が環境破壊など地球に迷惑を掛け続けると、人類を排除しようとし、人類にとって住めない環境に変化させようとするかもしれません。
つまり、人類滅亡後に高度な生き物が出現したとき、第四紀層から出てくる化石はごみ山のような化石ではなく、美しい化石を残そうという心掛けが良いのではないでしょうか。

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私たちの住む地球の生い立ちを学び、今住む大地の歴史を学び、過去の記録を知ることから地震の活動を予測することができることを知りました。そして、いたずらに怖がるのではなく、対策、準備をすることが大事だと感じました。

尾池様、ありがとうございました。

京都造形芸術大学

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9.20 第二回九州未来土木 in博多 講演レポート②

[2018.12.19]

講演Ⅱ「土木エンジニアの哲学 ―海外プロジェクトを通じて―」
今石 尚様 大成建設㈱ 土木本部 / 一般社団法人日本建設業連合会 部会⾧
9.20今石様



1957年 福岡市生まれ、1981年 九州大学工学部土木工学科卒業・大成建設㈱入社、1981年 広島支店配属(支店設計室、高速道路、原子力発電所工事等に従事)、1987年 東京支店配属(東京湾アクアライン、神田川地下調節池他シールド工事等に従事)、2005年 国際支店配属(ボスポラス海峡横断鉄道トンネル工事に従事)、2010年 技術センター配属(土木技術開発責任者)、2018年 本社技師長。
 入社以来、30年間作業所勤務、内24年間シールド工事担当、内12年間国内外で作業所長を歴任。2010年に帰国後、技術開発とシールド技術を担当しながら、大学講師を含め90回を超える講演や学会活動を通して、インフラ整備の重要さとものづくりの喜びを伝えている。建設を通して得られた地元の方々の笑顔が宝物。趣味は、絵画とワイン。海外駐在中6年間で100枚を超える水彩画を素描、2006年より収集したワインのラベルは1,000枚に届く勢い。
 今回は、地元九州に貢献できればという思いから馳せ参じた。


1.経歴について
まずは、私の経歴を説明させていただきます。1981年に入社し30年間の作業所勤務のうち24年間シールド工事を担当しました。主なもので1つは東京湾アクアライン、2つ目は神田川環状七号線地下調節池、3つ目はボスポラス海峡横断鉄道を担当しました。その後7年生産技術開発を担当し、この1年は本部付き技術⾧です。

2.技術の話
自動化の分野で、Ti-ROBO Rebar(自律型鉄筋結束ロボット)を開発しました。ホッチキスメーカーのマックス社から結束技術を、千葉工大からベースマシンを導入し、自社開発のプログラムで統合させて完成しました。またコンクリート床仕上げロボットを開発し、人のスピードの3倍でならす作業を自律化させました。

3.海外プロジェクトを通じて大成建設の哲学の話
トルコのボスポラス海峡横断鉄道プロジェクトでは、当初つり橋をかける案が検討されましたが、景観上の理由で廃案。次に安全で早いということでシールド工法が検討されましたが、海峡両端の駅が深くなるため廃案。最終的に海峡部のみ海底面ぎりぎりに設置できる沈埋函工法が採用されました。海峡部以外のトンネル部は、直径8mのシールド工法が採用されました。トンネル内には、車イスでも通れる幅の避難通路になるプラットホームがあります。上り線と下り線が別のトンネルになっているので、非常時に安全なトンネルへ避難できるようになっています。
今回のプロジェクトでは、2つの世界初となる技術が実施されました。1つ目は、コンクリートカルバートボックスを海に浮かせて船で運び沈める沈埋函の設置深さが今までで類を見ない深度60mであること。2つ目は、シールドの丸いトンネルのシールドトンネルと四角いトンネルの沈埋函トンネルを、通常では立坑を介して接合するのですが、今回は地中で直接接合しました。
未だに、沈埋函の設置深さは世界一です。

4.歴史遺産との調和(埋蔵文化財の発掘調査)
イスタンブールのアジア側ユスキュダル駅の掘削作業では教会跡と墓が発掘されました。ヨーロッパ側のイエニカプ駅の掘削作業では港跡と沈没船が発掘されました。
この発掘により、当時のトルコ最大の輸出品目はワインで、交易相手の北アメリカのアレクサンドリアから小麦を輸入していたことがわかりました。また、ヨーロッパ側のシルケジ駅の換気塔掘削作業では、まずオスマン時代の住居跡が発掘され、次いでビザンティン時代の建物跡、古代ローマ時代の遺物、8,000年前の人骨までもが発掘されました。
このように埋蔵文化時調査で遺物が発掘されることは、考古学上大変重要な物証となるため、工事よりも優先されるのが常です。
ただし、文化財が発掘されると調査団は、手掘り→3D測量→報告レポート作成→考古学の歴史博物委員会へレポートを提出という流れになり、その後委員会で、撤去or別の場所へ運んでさらに調査orそのまま残すという3通りの判断が下されます。この一連のサイクルには、遺物ごとに3か月から半年を要してしまいます。トルコではこれまで今回施工のように地中深くまで掘ることがほとんどなかった為、掘れば掘るほど古いものが出土し、そのたびに工事が止まり思うように進みませんでした。当初5年の工事予定でしたが、発掘調査で7年を費やし最終工期は9年になりました。
トルコには相続税がないため、家屋は親から子、子から孫へと引き継がれていきます。そのためにトンネル掘削予定路線上には築100年以上の古い家屋が多く存在します。これらの家屋を工事の影響から保全しなければならいないため、路線上の家屋を調査し、補強したり建て替えたりする必要がありました。
このように埋蔵文化財調査や老朽建物の保全などを通じ、トルコ文化と国民性を理解し尊重しながら工事を進める必要があったわけです。

5.土木とは
人々が暮らし、様々な活動を行うような条件や自然環境、人間環境を整えることを通じて、私たちの社会を飢餓と貧困に苦しむことなく、安心して暮らせる社会へと改善していく総合的な営みと考えます。

6.倫理
土木は、国家の経済、地理、歴史をも変えることが出来る裏付けになっており、もっと謙虚になって物事を進めなさいという事で、わが社のキャッチコピーに「地図に残る仕事」という言葉を使わせてもらっています。
人類の福利とその持続的発展は政治の役割と思いますが、我々は、土木の技術で貢献していこうと考えています。
そして、そこに求められる資質は、敏速、安定性、情熱が必要と部下に常々話しています。
私たち大手建設会社は、世界の人たちに笑顔を届けたいと思います。
***********************************************
今石さんの話を伺い、私たち日本人は、政治だけではなく土木の分野でも世界貢献をしていることを知りました。単なる技術の押し付けではなく、その国の特性を理解し尊重して受け入れてもらえるような工事であるから、世界貢献になるのだと理解しました。そのことで、同じ日本人として誇らしく思いました。

今石様、ありがとうございました。

大成建設㈱

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9.20 第二回九州未来土木 in博多 講演レポート①

[2018.12.17]

去る9月20日、弊社講演会「第2回九州未来土木in博多」を開催致しました。
あいにくの天候にもかかわらず、131名もの方にご来場いただき、
無事に講演会を終えることができました。
これもみなさま方のお力添えあってのことと、大変感謝いたしております。

コイシニュースでは少しずつ講演会の内容を紹介させて頂きます。
今回の講演会では、産学官の3部構成にて講演頂きました。
第一部 産学官の産/
第二部 産学官の学/
第三部 産学官の官/

まずは、第一部産学官の

 講演Ⅰ「赤色立体地図とは何か
       平面が立体に見える表現が土木を変える」

 千葉 達朗 様アジア航測(株) 先端技術研究所 千葉研究室 室長赤色立体図発案者
9.20千葉様



1956年宮城県石巻市生まれ。1975年日本大学文理学部応用地学科に入学。
地質学や地形学を学ぶ。日本大学大学院に進学、博士課程満了後、
母校の副手として5年半勤務。その後、アジア航測に入社、今日にいたる。
雲仙岳、有珠山、三宅島噴火の調査や、富士山などのハザードマップ作成の仕事に従事してきた。
2002年に富士山の青木ヶ原樹海の調査がきっかけで、赤色立体地図を発明。
国内外で多数の特許を取得、海外からの評価も高い。
この図は、一枚で立体的に見えることから、
ブラタモリなどのテレビ番組で使用されることも増え、
地理院地図というウェブサイトでも表示可能となった。
趣味は写真やARTで、プログラミングも、大学で授業を持つほど。
平成30年7月から日本火山学会副会長。
最近は、地形に加え都市のビルまで示した、クールマップを発明、特許出願中である。


赤色立体地図は、以前は内臓マップだとか気持ち悪いとかよく言われていました。
なぜ赤にしたのか等詳しくお話していきます。2002年に発明し、現在16年目です。

1. ことのはじめ 「青木ヶ原樹海が母 ~赤色立体地図 独創的な手法~」

青木ヶ原樹海は富士山の北西にあり、平安時代に活発な火山活動によりつくられましたが原始林が広がっていて調査が進みませんでした。
空中写真では樹木に遮られ、正確な地形図作成困難でした。
航空レーザー計測では、ほぼ真上から地面に向かってレーザーを打つので、
木の隙間を通って地面まで到達する割合が高く、
日本の様な木が多い地域では有効でした。
従来の空中写真測量では光が届かない箇所は計測できませんが、
航空レーザー計測をすると細かな地形も表現できました。
等高線図は見にくく、尾根か谷か分かりづらく樹海に入って調査するのは
難しく危険なので、等高線を使わない方法で地図を作成する事を決断しました。

2. 「既往手法の問題 ~陰影図では遭難する~」

「陰影図は方向が逆になると、尾根と谷が反転してしまう。
尾根と谷を間違えて、遭難してしまうかもしれない」
陰影図ではない他の方法はないか検討しました。
一番可能性が高かったのは斜度図(傾斜が急な所を黒くする画像)でした。
方向に依存せずよかったのですが、尾根と谷の区別がつきにくかったため、
尾根と谷の区別をつけて斜度図に味付けすればよいのではないかと考えました。
曇った日の光「環境光」を採用しました。(病院の手術灯の様なもの)
見落としがないように、尾根や独立峰は空が広いので明るく、谷や窪地は空が狭いので暗くしました。

3. 「赤色立体地図 ~必要は発明の母 富士山で生まれた~」

赤は様々な色の中で一番、彩度がとれる色です。
明度(明るさ)と彩度(色の鮮やかさ)を赤で表示させる事によって、
目の錯覚を利用し立体感を表現でき、凹凸のコントロールもできます。
新しい工法だと思いました。青木ヶ原樹海の調査に使用していた
等高線図に赤色立体地図を重ねると、
断層や河口、道路1本1本が詳しく見え遭難せずに調査できました。

4. 「応用事例 ~可視化の効果~」

○三宅島2000年噴火
 火山ガスで植生被害 土砂災害発生、対策工事
  2時期の航空レーザー計測による微地形の変化をGIS上で認識
砂防ダムができた、滝が後退した、道路がなくなった等、色んな事が読み取れる
○北海道サロベツ湿原
 牧草地の微地形の可視化に成功
 人間の目には分かりにくい微妙な凹凸も表現
○国土地理院数値地図50m 
 航空レーザー計測以外にも応用可能
○鳥瞰図にも 新しい地形認識手段
 フルカラー画像は拡大/縮小に強い
○航空レーザー計測+ナローマルチビーム音響測深
 写真に撮影できないデータを可視化(ダム湖等)
○ブラタモリ 鎌倉の赤色立体地図
 国土地理院の5mメッシュ地形データを使用して作成

5. 「色相とは ~赤い色の理由~」

「赤・緑・青の3色が一番見やすく、その中で1番赤が人は見わけやすいです。」
3色使えない訳ではないので、ニセコのスキー場では青色立体地図を試みました。

6. 「脳内画像 ~様々なスケールのデータに適応可能」

溶岩表面の微地形[1/5000](1mメッシュ)~
プレート[世界地図](4000mメッシュ)まで表現が可能です。
 
○等高線による地形表現の終焉
・DEMデータの利用には、赤色立体地図が有効
・赤色立体地図は、1枚の地形図と重なる疑似カラー画像で、
 特別な装置なしに、どの方向からも裸眼で立体的に見える
・等高線の苦手な人、老眼・色覚障碍者にもわかりやすい
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赤色立体地図は、千葉様がお話して下さった様に、誰にでも分かり易く、
様々なデータに利用可能だという事が分かりました。
弊社の測量資料にも活用していき、お客様に分かり安い資料作成を提供いていきたいです。

千葉様、ありがとうございました。

アジア航測㈱

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