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9.20 第二回九州未来土木 in博多 講演レポート⑤

[2018.12.26]

産学官の官 講演Ⅴ「AI・ロボットの導入に向けた土木研究所の取組み」
新田 恭士 様((国研)土木研究所 技術推進本部 先端技術チーム 上席研究員)
9.20新田様




筑波大学第三学群基礎工学類卒業。国土交通省入省、国土技術政策総合研究所など勤務。平成30年4月より現職、土木研究所において先端技術(インフラ点検ロボット用AIやICT施工など)にかかる研究プロジェクト立上げを担当。



【進化するICT】
 ・自動車自動運転技術の紹介

【疑似体験による情報共有、意思決定(VR技術)】
・VR技術を利用し、土木工事の監督や検査など、現場に移動することが大変な場合に、離れた場所でもコミュニケーションができる。コミュニケーションツールの紹介

【点検の未来像】
・NEC作成のドローンによる構造物点検のイメージ動画
1人で10台くらいの様々なセンサーを搭載したドローンを操作し、一気に橋の下などを点検していく。このような形で取ったデータを遠隔地から熟練技術のある診断ができる人が見ている。ゆくゆくは、先々の予測も瞬時にわかるようになるようなシステムを目指している

1、ロボットの導入検証について
国土交通省で3年間、現場検証の担当をしており、ロボットの開発者の方々に、広くインフラ分野で使えるロボットを公募。それを実際の現場に持って行って検証するというプロジェクトを行う。
災害時の応急復旧や、・災害調査用・無人化施工用ロボットというような非常にたくさんの素晴らしい技術が提案された。【レーザースキャナ搭載型UAV】【高機能型UAV】【サイフォン排水・応急復旧技術】など。技術はどんどん進歩している。

2、 インフラ点検の未来像と課題
インフラ点検に関しては、ロボットの機能は「行く・見る・損傷部を検出する・記録する」という仕事があり、様々なロボットが提案されている。このプロジェクトの時にインフラ用ロボットの重点導入分野について国交省と経産省で協力して5つの分野を設定した。
橋梁の点検、トンネルの点検、ダム・水中の点検 こうした維持管理分野と災害分野で
実際の現場で使えるかという検証した。

【ロボットAIの必要性】
橋梁を例にとると、全国に70万件あり、9割は自治体が管理している。労働人口はどんどん減っており、担い手不足の中でロボットを使っていく必要があるのではないか。

【従来の点検の進め方】
〇調査→準備→近接目視点検→報告書作成
PC橋は0.1ミリ幅のクラックを記録するという事が、国の直轄の点検要領に書いてあり、損傷図という提出書類を作らなくてはならないので、どんなに大きな構造物でも実際に近づいて行って、見つけたらスケールをあてて図ってチョーキングをいれて写真を撮影するという事を行っている。非常に危険でかつ体力のいる作業をしていただきながら点検調書を作っている。これはものすごくコストと人手かかかっている。

【ロボット手法(当面)】
〇調査→準備→近接目視点検→ロボット(記録)→報告書作成
ロボットを当面使うとしたら、今の近接目視で行うことが前提なのでそれを実施したのちにロボットを使って記録していこうと国交省で考えている。しかし、人が全部見ることに変わりなく、コストはあまり安くならない。

【ロボット手法(近い将来)】
〇調査→準備→ロボット(スクリーニング)→近接目視点検→報告書作成
ロボットに先に全部見させてロボットが見つけた悪いところに人を送りこむという点検の方法を考えたい。しかし管理者の責任問題があり、簡単にロボットで点検しましたという事では認められないという状況である。

【点検対象の損傷・部材、性能要求のイメージ】
0.1ミリのクラックを100パーセント検出するという要求性能に対して、その性能を持ったロボットというのは、ない。しかし、100パーセント確認できれば使ってよいというところまで来ている。ロボットで撮影する橋は様々な形状があるので、簡単にはいかない。橋の場合は26種類の損傷をすべてチェックしなければならない。橋によって検出条件も違うので、これに対してどのように対応するのかというのも詰めている。

【橋梁写真管理の難しさ】【点検写真の3次元ビューワーの例】
点検調書や写真台帳に一つの橋で、何千枚という写真が必要。
橋というのは複雑な形が多いので、どの場所の写真を撮ったのかというのを平面図で表現するのは難しい。
そこで、3Dモデルに写真をつけて3次元納品する事で点検のやり方を変えることができるのではないかと考えている。3次元ビューワーを用いてバーチャルで定点観察ができるような技術が出てきている中で、国土交通省は今年度から3次元の点検写真を電子納品できるような要領を作り、全国の整備局(各地整備局で一か所だけ)でロボット点検業務を施行でやりはじめた。一か所だけ開発中の技術でも新しい技術を行使、公共工事費と合体して発注しても良いという制度が今年からスタートしている。

3、AI開発導入環境の整備について
今紹介したような話は、完全なものができる前段階の技術だが、完全なものになるまで技術が導入できない。導入するまでに最低15年くらいかかる。
新しい技術を取り込むという事に対して、どん欲にならなくてはいけない、そして変えていかなくてはならないが、我々が今、変えていくためのプロセスを今持っていないのではないかと考えた。

AI、ディープラーニングというのが流行っている。
AIが判断をできるようになるためには、大量のデータをAIに教えてあげることが必要になる。今年度新たに立ち上げた政策の一例で、これまではロボットが撮影するという効率化に終始していたが、これからは考える事、判断の効率化につなげていく。たくさん撮った写真をAIに判断させて。それを、最終的には人に判断させるという世界を実現するために、AIを開発できるようなプラットフォームを作っていきたいと考えている。これまでは国が中心になって、公共土木事業の場合はこういうルールや政策で展開しましょう、ということをやってきたが、ロボットAIというものを見てきたときに、もうそこには限界がきていると感じている。
新しい技術で、こういう仕事の仕方ができます。こういう仕事の仕方をやったらどうですか?というようなことを国も提案していく。
AI技術開発者の領域と、国のような管理者の領域の協調領域の部分で、新しい技術の使い方を提案していくような仕事の進め方をやっていかなくてはならないと考えている。

【インフラ分野に必要な3つのS】
〇Start Up 中小の企業の力を生かしていくこと
〇Speed Up 国のサイクル(一年で予算要求して実現)では遅い。もっと早く動けるように、民間の資金もどんどん使えるような仕組みを作ること
〇Sand box  実証できるような機会を作っていくこと
一部割愛しましたが、このような取り組みで新しい技術を育て、豊かな社会を築いていきたいと考えています。
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具体的な事例をあげて、AIやロボットの必要性や新しい技術を取り込むことの重要さをお話しいただき、また、文章ではお伝え出来ない新しいVR技術の動画など、とても興味深く拝見させていただきました。

新田様、ありがとうございました。

土木研究所

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